所感
静岡市D寺様の御依頼で毘沙門天尊像を作製させていただきました。
弊社では新像造仏の際には先祖から受け継いだ雛型を元に作製をすすめます。もちろん御施主様のご希望による特徴など随時とりいれますが、代々引き継がれた躯体の割寸法、寄木技法などの要所は当代においてもそれに倣うことにしています。
力強く邪鬼を踏みつける雄々しい毘沙門天尊像、四天王のなかでも特に最強の天部として古来より崇められてきました。それだけの神通力を持ち、圧倒的な力の差を持つ相手に対しても、この「静かな面相」を見るにつけ、完膚なきまでに相手を打ちのめすといった表情とは見えません。どちらかといえば常に息を吹き返す「邪鬼」の上にあると云う「恐怖」に打ち勝った崇高なる精神性を思わずにいられません。
めまぐるしい時代の変化は時にわたしたちに「不安」の影を落とします。しかしかつての先人たちも何かの「先駆者」であり同じように「不安」と対峙してきたことを思います
今週のたかださんは、
「温故知新」の言葉は今でも教科書に載っていますか?
きっとあると思います。